東日本大震災から10年② 原発に頼らない社会を目指そう!|東日本旅客鉄道労働組合 水戸地方本部
東日本大震災から10年② 原発に頼らない社会を目指そう!
東日本大震災から10年②
原発に頼らない、安全で平和な社会を目指そう!
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2011年3月の東日本大震災で東京電力福島第一原子力発電所は、地震と津波により核燃料の冷却機能を喪失し水素爆発を起こし、広範囲の地域を放射能汚染させるという大事故を起こしました。この事故により、地震、津波による被害に追い討ちをかけて、さらに多くの犠牲者を出すこととなりました。
今回はこの福島第一原発事故の当時の状況と教訓について、前回に引き続きJR東労組原ノ町支部岩橋副委員長に当時を振り返っていただきます。
―当時の状況をお聞かせください。
前回もお話ししたとおり、大震災発生翌日の3月12日、いったんは出勤しましたが、福島第一原発が爆発したという報道を受けて自主避難しました。当時の南相馬市は人口7万人のうち6万人が避難するという状況でした。私は避難先に思い当たる所がなかったので、とりあえずJR東労組福島支部の仲間を頼りました。当時は情報が混乱していました。原発事故により放出された大量の放射性物質が福島市方面に流れていたことや、放射性物質の流れを予測するシステムがあったことなどを後で知るのですが、国や東電の対応が全くできていなかったことに今でも怒りを感じます。
―原発事故の教訓は何だと思いますか?
人間にとって命が最も大切であるということです。当時も現在も人間の命ではなく経済が優先される社会ですが、経済も人間の命がなければ成り立ちません。原発事故により私も含めた多くの方々が避難生活を強いられました。避難生活の中では「原発事故により、生活を奪われた!」と強い怒りを露わにしている方もいます。しかし私は、まずは地震や津波による被害を免れ、命が助かったことが何よりも幸せなことだと感じています。様々な怒り、不満、不安があることは事実ですが「人間にとって大切なこと」から考え方をスタートさせないといけないと思います。経済優先の社会が人間の考え方をも変えてしまうのです。命ではなく経済を優先させてしまうことは、非常に危険であると思います。
―この教訓から今後、JR東労組が目指すべきことは?
福島第一原発事故後、政府は原発再稼働の条件として避難計画の策定を義務づけました。事故の教訓からすれば、避難をしなければならないことを前提にしたエネルギー政策など、まったく愚かです。何よりも人間の命を優先する政策がとられなければならないと思います。経済発展のため、地球温暖化防止のため、脱炭素社会の実現のため等と言いながら、原発再稼働や新設に向けた政策を進めることは間違いだと思います。
私が住む南相馬市は、原発事故直後の2011年に、再生可能エネルギー100%となる街を2030年までに実現するビジョンを策定しました。現在、再生可能エネルギー使用率は64%まできています。私もJR東労組の一員として、地域とも連携しながら、命を最も優先する、安全で平和に暮らすことのできる社会を目指して、大震災の経験をいかしていきたいと思います。そしてこの取り組みを通じて、組織分裂によって傷ついたJR東労組の再建に向けて、取り組んでいきます。
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